4.抵当権抹消登記
住宅ローンを無事完済!の時には、銀行へ行って完済手続をしますが、その際に、抵当権の抹消登記に必要な書類一式を渡されます。
登記は、ご自分でされても結構ですし、その銀行(の紹介する司法書士)に頼んでも結構です。自分でしようと持ち帰ったけれども、どこに何を書けば良いかよく分からないといった場合に、あらためて司法書士に依頼するのも結構です。
最近は法務局も親切に教えて下さりますので、お時間のある方は、銀行からもらった書類一式と認印を持参して、ご自分で登記申請されても良いかと思います。
その際に、ひとつ注意が必要なのは、以前登記した時の住所が、前の住所になっている場合には、住民票が必要になります(抵当権抹消登記と一緒に、住所変更の登記も申請する必要があります)。これを忘れると、再度出直しとなってしまいます。
また、書類一式の中に、抵当権者の代表取締役の資格証明書(代表者事項証明書等)が入っていますが、3か月の有効期限がありますので、再度もらい直しとなってしまわない様、ご注意下さい。
まれに、抵当権抹消登記をしないまま、何年も経ってしまったという方もいらっしゃいます。完済当時に銀行から渡された書類一式があればまだ良いのですが、書類もどこへ行ったか分からないという場合も実際にあります。その時には、少々時間と手間がかかりますので、司法書士にご相談頂ければと思います。
疑問などございましたら、いつでもお電話下さい。抵当権抹消登記についても、ご相談は無料です。
●抵当権とは何か?
抵当権とは、住宅ローンなどでお金を借りた時に銀行などが、不動産をその借金の担保としてとる権利です。抵当権の登記があると他の債権者より優先的に返済を受けられるため銀行などで住宅ローンを組んだ場合などには、必ず抵当権設定登記をさせられます。
そして、ローンが返済されると、銀行は抵当権はもう必要なくなり、お客様に「ご自分で消して下さい」と言ってきます。特に都市銀行などの銀行が親切に抵当権抹消登記をしてくれることはありません。通常、担保関係書類を返却しておしまいです。
●当権を抹消するにはどうすればいいか?
住宅ローンを全額返済し終わると、銀行から抵当権を抹消するための書類が交付されます。解除証書や契約書であったり、登記識別情報通知という書類を受け取ったりします。
しかし、これらの書類を銀行から預かっただけで、抵当権の登記が自動的に消えることは絶対にありません。抵当権の登記を抹消するには、銀行から預かった書類を法務局へ提出し自分で抵当権の抹消登記を申請する必要があるのです。
●抵当権の登記を抹消しないとどうなるか?
お金を返して借金がなくなれば、その抵当権も原則として効力はなくなります。したがって、抵当権を抹消しないからといって、すぐに問題が起きることはありません。
しかし、後にまた住宅ローンを組みたいとか、その不動産を売却したいといったときには、原則として抵当権の登記を抹消することが必要となります。担保が付いたまま売却等は実務上出来ません。担保が付いたままでもいいから買いたいという人はいないからです。
抵当権を抹消しないまま、長い年月が経ってしまうと、不動産の所有者の住所の変更はもちろん亡くなり相続が発生したり、抹消登記書類を紛失してしまったり、また銀行が合併したり、銀行の名前や本店の場所が変わったりするなど、権利関係が複雑になります。
素人では処理できなくなり、結局高い費用を支払って司法書士に依頼しなければならないといったことになってしまいます。抵当権の登記は、早めに消しておいたほうが無難です。
●抵当権の抹消登記にかかる費用
抵当権抹消登記にかかる費用は、登録免許税(登記をするときに国に納める税金)です。
抵当権抹消登記の登録免許税は、不動産1物件につき1,000円かかります。
例えば、土地が1筆と、建物1棟が担保に取られている場合、その抵当権抹消登記にかかる登録免許税は、合計2物件で2,000円となります。
●抵当権抹消登記を司法書士に頼んだ方がいいのか?
抵当権抹消登記を、司法書士に依頼するメリット⇒
①迅速にかつ確実に抵当権抹消登記手続きをしてもらえる。
②自分で慣れない申請書を作成したり、法務局へ行かなくて済む。
などがあげられます。
デメリットとしては費用がかかるということでしょう。司法書士に抵当権抹消登記手続きを依頼した場合の報酬は、およそ1万円から2万円くらいです。
ただし、不動産の数や、抵当権の数、その他特別な事情がある場合などはもうすこしかかります。ご自分の勉強のためにやってみたいという方以外は、手間と時間もかかりますので司法書士に依頼してしまった方がいいでしょう。
<抵当権抹消登記の必要書類>
- 銀行から受け取った書類一式
- 認印(シャチハタは不可)
- 身分証明書(運転免許証等)
- 住民票:住所変更がある場合。登記申請に使用するものであれば当方にて取得することも可能です。