「遺された家族が喜ぶ遺言」セミナー

紀州のドンファンと呼ばれた資産家が亡くなって、その妻の裁判が行われていますが、その資産家が遺したと言われている遺言書について様々なことが取りざたされています。その裁判や遺言書の有効無効については改めてコメントするとして、遺されて発見された自筆の遺言書について興味を持つ方が多いようです。

手書きのひらがなで「いごん」と書かれていましたがこれに違和感を持つ方も多いのです。
「ゆいごん」と読むのが一般的ですが法律家の世界では「いごん」と言います。
一般の方は「ゆいごん」と読みますね?紀州の資産家にはある程度法的な知識があったのか?予め専門家にアドバイスを求めていたのかも知れません。
いずれにしても明確な違いはないと言っていいでしょう。
ひらがなであることも問題はありません。
果たして「本人が書いたものなのか?」を巡って遺族が裁判を起こしましたが、判決は「本人によって書かれたもので遺産は全額田辺市に遺贈する」ことになりました。

さて、当職は、「遺族が喜ぶ遺言書の書き方セミナー」も承っております。
ご依頼があれば喜んで参上しお話をさせていただく用意が出来ています。

そのセミナーは・・・

1. まずは無効にならない必要項目を満足した遺言書にすること。
せっかくの遺言が法的に無効になってしまっては元も子もありません。
必要なのは日付、対象遺産が明確になる地番などの表記、そして自著による署名などです。

2.遺された相続人が末永く円満に過ごして欲しいという思いを遺すこと。
  遺言を遺す大前提として、遺していく家族親族、あるいは社会全体に感謝し、相続人の間で紛争になることなく財産を継承してもらいたいという気持ちを持っていただきたいものです。

3.相続人それぞれの経済的な事情や自分との関わりを遺族が理解するような遺産配分をすること。
亡くなるまで一緒に暮らした配偶者の住まい=配偶者居住権のことには気を配ってあげたいところです。また、子供たちには生前に贈与した財産などものことも勘案して
  将来的に不平等感がないように考えてあげたいところです。

4.とは言え、遺留分を意識した子ども同士の納得が得られる遺産の配分をすること。
  長男に全部、または次男に全部という遺言を遺しても、民法には「遺留分」というものがありますのでそれを主張されれば必ずしも遺言の通りにはなりません。そのことは知っておいた方がいいでしょう。

5.上記を表現するための付言の遺し方
  最後に、法定相続分通りに遺産を分割してもらわない遺言を書くにはそれなりの理由があって然るべきです。その然るべき理由を相続人たちが納得するように付け加えて言い添えることを付言と言います。この付言を上手に使って相続財産が少なくなってしまう相続人にも充分に理解してもらう必要があります。
このあたりは遺言の原案を作らせていただくお仕事において、司法書士は非常に神経を使うところです。多くの事例を見て、永年の経験を積んだ司法書士だからできるお仕事かも知れません。

遺産を巡ってたくさんの紛争を目にしてきた司法書士としてのご提案は少なからず相続人の皆様にお役に立てていることと信じております。